日本で最初に考案された五輪塔の墓は、空海のアイディアである。
文字通り五輪の塔になっていて、空・風・火・水・地を表現した型で整えられている。
初期には木や泥づくりもあったが、のちに金属や石材が使用され、一石彫りにした五輪塔もある。
あるいは板碑に五輪塔を表現したものもあるようだ。
五輪塔の内容は、密教の五大体を表すもので、宇宙の根本を象徴しているといわれる。
しかもこの型には基本があり、空は宝珠の型、風は半月の型、火は三角の型、水は円の型、地は方型である。
この型式の墓は、一般には先祖の供養塔として用いられる。日本では、平安中期頃からあるということだ。
墓としての作りはまことに立派で、江戸初期のものと思われるのに文字の彫がいまだに消えていない。
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